
こんにちは、ふー(@dr_fooooo)です。
ぼくは医師(小児科専門医、日本医師会認定産業医)であり、このブログでは主に医療にまつわるお話をしています。
今回は脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症についてのお話。
ぼくは2018年8月の下旬より頭痛に悩まされ病院で検査を行ったところ、脳脊髄液減少症と診断され、入院しました。
その後の経過が良くないことから主治医よりブラッドパッチについて専門病院での受診を勧められ、山王病院を受診する運びとなりました。
予約なんて電話したら取れるもんでしょ!と思っていたら全然予約が取れずに大変でした。
今回は予約取得までのお話。
Contents
なぜ山王病院の脳神経外科の予約取得は大変なのか?
答えとしては、「脳脊髄液減少症の患者数が多いのに診る医師は少ない!」ということに尽きると思います。
ぼくも医師にもかかわらず、この病気になるまで脳脊髄液減少症という言葉は知りませんでした…
なぜ専門にしている医師が少ないのかを説明していきます。
症状が多彩
脳脊髄液減少症は、低髄液圧症候群、脳脊髄液漏出症とほぼ同じ疾患であり、脳脊髄液が減少することにより多彩な不定愁訴(ふていしゅうそ)を有する疾患とされています。
症状としては、頭痛、めまい、腰痛、背部痛、味覚異常、食欲低下、パニック発作…
多彩な症状が出てきます。
医者は不定愁訴が苦手です。
総合診療科の医師なら違うかもしれませんが、医師は細分化されていて、自分の範疇以外の症状を診察することに慣れていないため、いろいろな症状を呈する疾患が得意ではありません。
なので、症状が多彩(不定愁訴)な患者は検査で異常がない場合、医師は精神科や心療内科を受診するようにしてしまうのです。
検査で異常が出ない
脳脊髄液減少症の診断が難しいのは症状が多彩であることと、実際に検査で異常を見つけるのも難しいことがあげられます。
MRI, CTなどの画像検査を行っても全く異常がないと言われることもしばしばあります。
専門に扱っている医師は特別な検査(RIシンチやCTミエロなど)で診断することは可能ですが、どの病院でも行っている検査ではないため、脳脊髄液減少症を確定診断することができないのです。
病気の存在そのものを信じていない医師もいる
「脳脊髄液を覆っている硬膜が簡単に破れるわけがない」といって、病気自体を否定している医師もいます。
ぼくは小児科医なのですが、小児科で権威を持つ先生でも「そんな病気はないんじゃないか」と思っている方はいます。
脳神経外科では確立された疾患として考えられているので、自分で脳脊髄液減少症を疑った場合は脳神経外科の受診をおすすめします。
症状が多彩(不定愁訴)、診断するのが難しい、存在自体を信じていない医師がいるため、専門にしている医師が数少ないのです。
そのため山王病院などの専門医師に患者が殺到してしまいます。
山王病院の予約取得をしやすくする方法
山王病院の予約取得方法は、電話しかありません。
先程の理由から予約が殺到するため、予約する日が決まっています。
ホームページにも記載されていますが、毎月15日の朝8:30から翌月分の受付を開始することとなっています。
電話の際に必要なものは
- 紹介状
です。
紹介状を準備しよう!
まずは通院しているクリニックや病院から紹介状を書いてもらいましょう!
脳脊髄液減少症(の疑い)で山王病院 脳神経外科 高橋 浩一 先生に紹介状を書いてほしいと伝えれば、おそらく書いてもらえると思います。
どこかで整骨院など医師じゃない人の紹介状でもよいと書かれていましたが、医療の世界では一般的ではないのでやめたほうが良いです。
普通の医師なら書いてくれるので、一度お願いしましょう。
15日の朝8時半に電話をかける!
当たり前ですが、スタートと同時に掛ける必要があります。
「15日の日中にかけよう」などと思っていると、初診枠は少ないためすぐに埋まってしまいます。
知り合いの医師に聞いたところ、15分で予約はいっぱいになるとのことでした。
そうなるとまた1か月待つ必要があります。
症状がつらくて早く治したいんですよね?
それであれば、8時半ぴったりに電話をしましょう!
ぼくがかけたのは8時半になる10秒前でした。
その時点ですでに、「電話が込み合っております」との機械アナウンス。
しかし、「そのままお待ち下さい」だったので、待っていると5分後くらいに繋がり予約ができました!
ちなみに日程はこちらが指定する余裕もないくらい埋まっていきます。
「空いている1番早い日でお願いします」といったほうが良いと思います。
ぼくの場合は翌月の10日程度の日程で取得できました。
また予約取得後に、当日は紹介状と合わせ、症状の経過を書いた紙(A4 1枚)を持ってきてくださいと言われました。
これは忙しい外来の中で症状を読み解くためのもの。
しっかりと書いて持参しましょう!
時系列で書いたほうが良いです。
症状の出現日、悪化日、改善日は記載して、長い経過の場合でもダラダラと長くならないように記載しましょう!
まとめ
脳脊髄液減少症は患者数が多いのにもかかわらず、専門にしている医師が少ないのが現状です。
そのため、山王病院など専門にしている医師の予約取得は難しいです。
ぼくはこの病気を早く治して、早く仕事を完全復帰したいです。
きっとこの病気を抱えているあなたも同じだと思います。
できるだけ早く専門の医師にかかることをおすすめします。